犬と猫のアレルギー③ 犬のアトピー性皮膚炎と食物アレルギーの違い

スポンサーリンク

犬と猫のアレルギー、第三回は犬のアトピー性皮膚炎と食物アレルギーの違いについてお話します。同じように見えて意外に違う2つの病気。どちらなのか診断してもらうことは適切な治療をするために大切です。

アトピー性皮膚炎と食物アレルギーとは

アトピー性皮膚炎とは

犬のアトピー性皮膚炎は環境アレルゲン(食べ物以外で生活環境にあるもの)を吸引もしくは皮膚の表面からの吸収によって起こるアレルギーです。花粉やハウスダスト、昆虫やカビなどもアレルゲンになります。

食物アレルギーとは

食物アレルゲン(食べ物の成分に含まれるアレルゲン)を食べることによって起こるアレルギーです。ヒトでは食物アレルギーでアナフィラキシーやじんましんが出ることが多いですが、犬では慢性皮膚炎の症状が出ます。これは、ヒトの食物アレルギーでは1型アレルギーが多いのに対し犬では食物アレルギーの原因に4型アレルギーが多いためだと考えられます。

アレルギーの型に関しては前回の記事を参考にしてください。

アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの共通点

慢性皮膚炎の症状が出る

アトピー性皮膚炎も食物アレルギーもどちらも脱毛やかゆみ、皮膚の赤みなど慢性皮膚炎の症状が出ます。

免疫抑制剤で改善する

アトピー性皮膚炎も食物アレルギーもどちらもアレルギー性疾患であるので、ステロイドなどの免疫抑制剤で改善します。治療へはどちらの病気も同じような反応をします。

アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの相違点

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーは、発症年齢や病変の部位などの違いがあります。以下の表を参考にしてみてください。

アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの違い

アトピー性皮膚炎 アレルギー性皮膚炎
発症年齢 2~3歳 1歳未満
主な過敏症のタイプ 1型 4型
脱毛部位 耳・内股
手足の甲・膝裏
耳・目の周り口周り
背中・手の甲

スポンサーリンク

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療は以下のような5つの柱によって行います。

1.アレルゲンを避ける

ハウスダストであれば定期的な部屋の空気の入れ替えや空気清浄機、花粉であれば花粉の時期に散歩を減らしたり目薬で防御する、コットンであれば服や布団の材質を変えるなど、アレルギーを起こす物質を犬の環境にできるだけ減らすことが大切です。

アレルゲンを特定する検査に関して知りたい人はこちら

2.ハウスダストが原因であれば減感作療法

唯一アトピー性皮膚炎を完治させる方法として減感作療法という治療法があります。これは、最初は非常に薄い濃度のアレルゲンを、徐々に濃度を高めたアレルゲンを注射で打ち、体をアレルゲンに慣れさせるという方法です。現在犬用の減感作療法はハウスダストのみに可能になっています。アレルギー検査でハウスダストへのアレルギーが怪しいという結果になった場合は、減感作療法を考えてみましょう。

3.定期的なシャンプー療法

犬のアトピー性皮膚炎はアレルゲンを吸引するだけではなく、皮膚から吸収することでも起こります。アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が弱くなってアレルゲンが入りやすくなっているとともに、細菌も繁殖しやすくなっています。定期的なシャンプーはバリア機能を高めてアレルゲンの吸収を減らすともに、細菌感染を予防するためにも大切です。

4.炎症や免疫の状態を改善するサプリメント

DHAやEPAなどのω3脂肪酸は皮膚のサプリメントとしてよく使われます。ω脂肪酸は炎症反応を抑える働きがあり、皮膚のかゆみや赤みの軽減につながります。

また、最近では腸内環境が体の免疫の状態に非常に重要な役割を持っていることがわかっており、乳酸菌やビフィズス菌、宮入菌、ペディオコッカス菌などの整腸サプリメントもアトピー性皮膚炎の症状を抑えるのに有効である可能性があります。

5.免疫抑制剤やインターフェロン

アトピー性皮膚炎は、アレルギー反応による病気ですので、免疫を抑えることが大切です。ステロイド剤(プレドニゾロンなど)やシクロスポリンの内服薬、外用薬による治療はもっとも速効性があり、確実な効果が得られる治療です。ただし、ある程度の体の負担も起こしますので、1~4の治療を行いつつ必要があれば薬を使うという必要があります。

インターフェロンに関しては、コストが高く即効性や強い効果は期待できませんが、体質改善による完治の可能性があり、体の負担が少ないので、費用をかけられる飼い主さんは試してみてもいいと思います。

食物アレルギーの治療

食物アレルギーの治療の柱はやはりフードになります。ただし、フードだけで改善しないことも多く、アトピー性皮膚炎で使うような補助療法も同時に行う必要があることが一般的です。

1.加水分解フード

アレルギー検査の結果で、IgEに対する反応が強い食物アレルギーが疑われたときに有効なのが、加水分解フードです。IgEを介したアレルギー反応は、分子量が小さい加水分解フードによって起こることはないと言われています。ウルトラz/dや低分子プロテインなどの加水分解フードが有効です。

2.除去食(新規たんぱく食)

除去食もアレルギー職の一種ですが、こちらは特定の物質を除去した食餌です。例えば豚肉にアレルギーを起こす場合は、豚肉を原料としていない食餌やセレクトプロテイン(コッド&ライス)などを食べさせることでアレルギー反応を起こさせなくできる可能性があります。除去食は、食物アレルギーの大部分を占めるリンパ球が引き起こすアレルギーに有効です。

3.シャンプー・サプリ・薬

アトピー性皮膚炎の治療法(3~5)に書いたシャンプーやサプリ、薬は食物アレルギーにも有効です。必要に応じてこれらの治療も同時に行っていきます。

スポンサーリンク

まとめ

アトピー性皮膚炎も食物アレルギーも、検査や診断、治療法はここ数年で格段に進化してきています。内臓の機能には影響せず、命に関わる病気ではないですが、かゆみが一生続くつらい病気ですので、あきらめずに動物病院でしっかり治療の相談をするようにしましょう。

にほんブログ村 犬ブログへ ポチっとm(__)m