ヒアリに犬や猫が刺されたら~海外文献を参考に

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最近話題になっている「ヒアリ」。今までも外来生物や外来植物が問題にはなってきましたが、人に直接害を与え、場合によっては死に至るという危険な生物であり、世間では大きな話題になっています。

ではこのヒアリ、犬や猫のペットが刺されてしまったらどうなるのでしょうか?日本には今までいなかった生物であり、日本での報告はないため、海外の文献をいくつか参考に書かせていただきます。

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ヒアリとは

まずは、ヒアリの基本的なお話をしておきましょう。ヒアリは、アリの一種ですが、その毒性だけでなく、高い攻撃性や強い繁殖力が問題となるアリです。

こちらの動画を見てください。

【テキサス州にて撮影】 学名:ヒアリ Solenopsis invicta、南部アフリカ原産。英名を Fire ant(ファイアーアント)と称するが、この名で呼ばれる種には中米産種もあるので、特に本種を指す場合は RIFA (Red Imported Fire Ant) と称する。リストにある他の熱帯産アリに習性...

これは、ヒアリの巣を棒でつついたときの動画です。犬がヒアリの巣をほじってしまったら…と考えるとかなり怖いですね。

ヒアリの人への毒性

ヒアリは英語名「Fire ant」の直訳であり、つまり「火アリ」です。刺されると火のように痛くなるということからつけられた名前だそうです。ヒアリにさされると、刺された部位の猛烈な痛みと赤み、化膿が起こると言われています。

ヒアリの毒性の最も怖いものはアナフィラキシー(急性のアレルギー症状)で、ヒアリに指されてアナフィラキシーを起こし、死亡してしまう人もいると言われています。ただし、「アメリカで年間100人が死亡している」という話は実は半分ウソの話のようであり、「アメリカでは昆虫に刺されてアレルギーを起こし、年間90~100人が亡くなっている」ということだそうです。ちなみにアナフィラキシーの可能性は1%以下で、死亡する人はそれより少ないと言われています(※1)。

ヒアリの動物への毒性

では、ここからが本題、ヒアリの動物への毒性です。ヒアリの刺し傷で犬や野生動物が死ぬことがあるという文献があります。他方で、2002年の報告では、犬でヒアリによるアナフィラキシーの報告はないという論文も出ています(※2)。

犬で最も多い毒性は、刺された部位の紅斑と痒み、丘疹(皮膚が丘状に腫れること)です。犬では刺された場所を熱心に舐めたり、掻いたりすることで気付くケースも多いでしょう。

下の動画は、ヒアリに刺された犬の反応です。このような行動をしている場合は、ヒアリを含めてムカデなど毒虫に刺された可能性を疑ってください。

この動画は前足ですが、犬は鼻でクンクンにおいをかぎに行くので、顔を刺される可能性も高いです。その場合は、マズル(鼻の先)を異常に掻いたり、こすったりすることが考えられます。顔は虫刺されによって腫れやすいため、パンパンに腫れて来る可能性もあります。

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ヒアリに刺されたらどうする?

ではヒアリに刺されたときの対処法を考えてみましょう・

1.流水で流す

まず、他の毒虫を含め、何かに刺された可能性がある場合は、可能であれば水道水で毒を洗い流しましょう。ただし、かなり痛みが強く、洗い流すのをかなり嫌がるのであれば、無理にやらない方がいいでしょう。飼い主さんが噛まれてしまう可能性もありますので。

2.動物病院へ受診する

刺された場所が一カ所であれば、必ずしも動物病院で診てもらわなければならなということはなく、24時間以内に自然に収まると言われています。ただし、ヒアリ以外にもマムシなど怖い毒虫もありますし、痛みが強く舐めすぎて化膿してしまったりするかもしれませんので、動物病院で診てもらっておいた方が安心でしょう。痛み止めを使ってもらえると少し楽になる可能性も高いですしね。

それから複数カ所刺されてしまった場合には、緊急で動物病院の受診が必要になります。特に人に比べて体の小さい犬が大量のヒアリに刺されると、その毒の影響を強く受けてしまうかもしれません。

猫に関する報告は少ないが、犬と同じと考える

猫に関する報告を見つけることはできませんでしたが、基本的には犬と同じだと考えられます。猫も前足や顔は刺されやすい部分なので、外に行く子でそこを痛がったり腫れてきたりする場合は要注意です。

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散歩中に気を付けることはヒアリだけではない

今現在、ヒアリが発見された地域は限られており、愛犬・愛猫がヒアリに遭遇する確率は極めて低いと考えられます。また、「ヒアリは怖い」という強い印象がメディアの報道により植え付けられているようですが、いくつかの文献を見る限り、犬や猫にもそこまで危険な生物ではないようです。

ヒアリよりも、農薬や殺鼠剤、ナメクジ駆除剤、車の不凍液、あるいは悪意のある人による毒など、散歩中に命に関わるような何かを食べてしまうリスクの方が大きく、そちらの方が要注意ではあります。

今後もニュースが続々出て来ると思いますので、住んでいる地域でヒアリが発見されないかどうかには注目しておいてくださいね。

参考文献

※1:死者100人!? ヒアリは本当に“殺人アリ”なのか?

 「殺人アリ上陸」「米国では毎年100人以上死亡」──神戸港で荷揚げされたコンテナからヒアリが発見されたことで、危険が叫ばれるが、根拠は確かだろうか。 5月26日、兵庫県尼崎市でアリのコロニーが発見さ...

※2:Veterinary Toxicology: Basic and Clinical Principles

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