犬からヒトに感染?知っておくべき重症熱性血小板減少症候群(SFTS)最新情報

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先日、イヌからヒトに重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスが感染して発症したというニュースが発表されました。2017年の夏には野良猫にかまれてSFTSを発症した可能性のある(因果関係は確定されていません)事例も報告されております。

SFTSは発症すると死亡率が非常に高く、危険な病気であるため、犬や猫の飼い主さんの中には非常に心配されている人もいるのではないかと思います。今回は、動物のSFTSとヒトの発症について、現在わかっている範囲の情報をまとめておきます。

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SFTSとは

まずは、SFTSについて、現在わかっている情報を簡単に頭に入れておきましょう。

SFTSウイルスはダニの体内に生息

SFTSウイルスはダニが持つウイルスです。日本、韓国、中国での報告が多く、東アジアに多く分布するウイルスの可能性が高いと考えれます。このウイルスがヒトに危険な病気を起こすということがわかったのがここ数年であり、まだまだ不明な点が多いです。

ダニのウイルス保有率にはいくつかの報告がありますが、ダニの数%~15%程度が持っていると報告されています。日本ではフタトゲチマダニとタカサゴキララマダニが媒介すると考えれています。

フタトゲチマダニ(吸血前)

フタトゲチマダニ(吸血後)

タカサゴキララマダニ(吸血前)

タカサゴキララマダニ(吸血後)

日本で報告されているSFTSウイルスの保有率は地域によって大きく異なり、一般的に西日本で多く、東日本や北日本では少ない傾向があります。

ダニに刺されて感染する

SFTSに感染したダニが動物や人を吸血する際に、SFTSウイルスが感染すると考えれれております。SFTSウイルスは、特定の動物だけに感染するという「宿主特異性」というものがないようで、ヒトや犬・猫だけでなく、鹿やイノシシ、タヌキ、アライグマ、豚など数多くの野生動物でも報告されています。

感染してもすべての人や動物が発症するわけではないようで、ウイルスが存在する地域では、数%の人がウイルス抗体を持っているという報告があります。ダニにかまれる機会の多い野生動物では、抗体およびウイルスの病原体を保有する率が高い傾向にあります。

SFTSウイルスは増えている?

日本の野生のアライグマの調査では、2007年にはSFTSウイルス抗体陽性率が0%だったのに対し、2014年には24.2%と、野生動物の間で爆発的に増えているというデータが出ています。

獣医学の立場から見た重症熱性血小板減少症(SFTS)ウイルス

温暖化や野生動物の生息範囲の変化など、環境の変化によってSFTSウイルスが今後さらに増えてくる可能性は高いと考えれます。

SFTSによる犬や猫の症状

SFTSは新しい病気であり、犬や猫のSFTSの報告は少なく、症状や治療法にもまだまだ不明点が多く存在します。

無症状の動物が多い?

犬や猫などの動物では、SFTSウイルスに感染しても発症しないケースも多いようです。山口県の調査では3.7%の犬がSFTSウイルス抗体を保有(以前に感染)、1.5%の犬がウイルス遺伝子を保有(伝染力があるのかどうかは不明)していたという報告があります。

中国の報告では、羊(69.5%)・牛(60.5%)・犬(37.9%)・豚(3.1%)、鶏(47.4%)という高確率での抗FSTS抗体の保有率が報告されています。ただし、ウイルスが血液内にいる動物の割合は1.7~5.3%と多くの動物が自然治癒している可能性を示唆しています。

Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome Virus among Domesticated Animals, China

犬や猫の症状

犬や猫がSFTSを発症した場合に、どのような症状が起こるのかにはまだ不明な点が多いですが、厚生労働省は以下のように発表しています。

発熱(39℃以上)、白血球減少症(5000/ mm3以下)、血小板減少症(10万/ mm3以下)、食欲消失等の症状が認められ、さらに入院を要するほど重症(自力採餌困難等)で、かつ既存の細菌・原虫・ウイルス(パルボウイルスなど)の感染が否定された場合には、SFTSが疑われます。臨床症状や血液検査等だけではSFTSの確定診断はできませんので、ウイルス学的検査を実施することが必要です。

つまり、熱が高く、食欲消失など重度の症状が出ている犬で、血液検査をして白血球の減少や血小板の減少がみられた場合には、SFTSを疑うということになります。同じような症状を起こすパルボウイルス感染症の可能性が低く、ダニにかまれた可能性がある場合はSFTSの可能性が出てきます。

確定診断はウイルス学的検査

現在、犬や猫のSFTSの確定診断は動物病院内ではできません。そのため、血液や粘膜をぬぐった液を検査センターに送ってウイルスの検査をしてもらう必要があります。

ペットがダニに噛まれたら?

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では、もしペットがダニに噛まれてしまったらどうしたらいいでしょうか?ペットのダニの一般的なお話はこちらも参考にしてみてください。

1.動物病院へ行く

まず始めにやることは、動物病院へ行くことです。動物病院へ行けばよほど凶暴な犬や暴れる猫でない限りダニをきれいに取ってくれます。自分で取ろうとしてダニの頭が残ってしまうと、皮膚の炎症になったり、ウイルス感染のリスクが高くなってしまう可能性もあるため、できるだけ動物病院で取ってもらいましょう。

2.マダニ予防をしてもらう

ダニは見えないところについている可能性もあります。また、同じような生活をしている以上、再度ついてしまう可能性もあります。動物病院でダニをとってもらったら、そのまま予防薬をつけてもらうようにしましょう。予防薬は予防もできますし、今ついているダニも数時間~2日くらいの間に落としてくれます。

3.ペットの様子をしっかり観察する

犬からの人への感染がニュースになり、ナーバスになっている飼い主さんもおられるようですが、2017年10月現在、SFTSの症状を出していない動物からヒトへの感染例は報告されていません。厚生労働省のHPにも以下のような文言が書かれています。

ヒトにSFTSウイルスを感染させるリスクのあるネコなどは、ヒトのSFTSで認められる症状(問36 参照)を呈していたことが確認されており、健康なネコなどからヒトがSFTSウイルスに感染することはないと考えられます。また、屋内のみで飼育されているネコについては、SFTSウイルスに感染する心配はありません。現時点においてはまれですが、SFTSウイルスに感染し、発症している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することも否定できません。なお、ヒトのSFTSで認められる症状を呈していたネコに咬まれたヒトがSFTSを発症し、亡くなられた事例が確認されていますが、そのネコから咬まれたことが原因でSFTSウイルスに感染したかどうかは明らかではありません。

100%否定はできないものの、なんの症状も出ていないペットであればSFTSウイルスが人にうつるリスクは極めて低いということです。

体液や血液を介して移ってくる可能性が高いので、ダニに噛まれている可能性のあるペットには、念のため、口移しなどの過度なスキンシップは控えて置き、噛まれないようにも注意はしておいた方がいいかもしれません。

症状が出ているかどうか心配な人は早めに動物病院で診てもらっておいた方が安心です。見た目の症状が出る前に検査で異常が出てくる可能性もありますので。

自分とペットのSFTS感染を防ぐためにできること

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ペットのマダニ予防は確実に

犬や猫のマダニ予防はフロントラインやネクスガードなどで簡単に行うことができます。犬や猫の病気のうち、ノミやダニが原因で起こる病気はSFTSだけはありません。バベシアなどSFTS以外にも命に関わる病気も含まれていますので、マダニ予防はしっかり行っておきましょう。

特に西日本の人、草むらに行く犬や猫を飼っている人は、愛犬や愛猫のためだけでなく、自分のためにも必ずしておきましょう。

ダニに噛まれないように!

動物からヒトへのSFTSの感染報告は、疑わしいものを含め現在のところ2例(飼い犬と野良猫)だけです。一方、ダニに噛まれてSFTSを発症した例は300人以上、死亡者も50人を超えています(2017年9月現在)。

犬からヒトへの感染がニュースになったのでそちらを怖がる人が多いようですが、実際にはマダニ自信からの感染のリスクの方が非常に高いのです。そのため、ダニに噛まれないよう、草むらに入るときは肌を出さないようにしておきましょう。

野生動物は触らない

お話しした通り、野生動物のSFTSウイルス感染は、飼い犬・飼い猫の比ではありません。野生動物からヒトにSFTSウイルスが感染するのかどうかは不明ですが、ヒト⇔ヒトの感染が確認されており、イヌからの感染の可能性も高いとなると、野生動物からも感染する可能性は高くなります。

運悪くSFTSを発症している動物に噛まれてしまうと、感染する可能性があるため、野良猫を含めて野生動物には触らないようにしましょう。どうしても野良猫を保護したいという場合には、噛まれないような安全な方法(捕獲ケージや防護手袋など)を使用するようにしてください。

早めに専門機関へ相談を

もし、自分や動物がダニに噛まれたり、SFTSの疑いがある場合は早めに専門機関へ相談しましょう。

  • 動物のことに関しては動物病院や動物愛護センター・保健所など
  • ヒトに関することは病院や保健所

に相談するようにしましょう。

予防など万全な対策をし、SFTSに関する正しい知識をつけておこう

SFTSは比較的新しい病気であり、まだまだ不明な点は多いです。今後、さまざまなニュースが出て来ると思いますが、大切なのは正しい知識をつけて、SFTSの万全な対策をしておくことです。

ペットのSFTS対策はとにかくダニ予防をしておくことです。ダニがついて不安にならないよう、しっかりダニ予防はしておいてくださいね。情報が出てこれば随時こちらのブログでアップデートしていきますので、参考にしてください。

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