犬のフィラリア症② フィラリア予防の常識/非常識

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毎年春になると始まる「フィラリア予防」。フィラリア症は都市部ではかなり減ってきましたが、まだまだ日本には多い病気ですので予防しないと感染してしまいます。今回はフィラリアの予防法について考えてみましょう!

フィラリア予防は幼虫の「駆虫」である

まず、フィラリアの予防で大切なのが、フィラリア予防はフィラリアが入ってこないように予防するのではなく、入ってきた幼虫が成虫になる前に「駆虫」するものであるということです。フィラリアの幼虫は基本的に犬の健康を害することはないので、成虫にならなければOKなんですね。

幼虫が入ってくるのを防ぐには蚊にかまれるのを防ぐしかなく、現実的には不可能ですね。蚊取り線香を炊いていても100%蚊を防ぐことはできませんので、しっかり予防をしましょう!

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大切なのは「2か月空けない」こと

フィラリアの予防で最もよく使う方法が予防薬を飲むことです。最近は注射による予防も少しずつ普及してきていますが、それは後程説明します。

予防薬は先ほど書いた通り、幼虫が成虫になる前に殺すものですので、成虫になってしまうと予防薬の効果はありません。そのためのキーワードが「2か月空けないこと」です。

上の図を参考にしてほしいのですが、蚊に刺されて入ってきたフィラリアの幼虫「L3」は成虫になるまでに約2か月かかると言われています。成虫はフィラリア予防薬で殺せませんので、2カ月以上予防薬の投与間隔が空いてしまうと、成虫になってフィラリア感染が成立してしまいます。

フィラリア予防薬は1.5カ月に1度でもいいのではないかという説もありますが、その場合、数日飲ませ忘れがあると感染してしまうリスクがあります。安全性は高い薬ですので、1カ月に一回決まった日に飲ませる方がいいですよね。

冬の間は予防の必要はない!

「最近暖冬で冬にも蚊がいるから」といって冬の間も予防薬を飲ませる人もいるようです。たくさん飲んだら外のある薬ではないため、飲ませることが悪いことではありませんが、必要がないということは理解しておいてください。

フィラリアの幼虫には「最低発育温度」があり、15.6度以上の環境でないと幼虫が成長できないと言われています。蚊は昆虫ですので、人のように体温は高くなく、基本的には環境温度と同じくらいの体温になっています。つまり、平均15.6度を下回る冬の間は、蚊がいても蚊の体内で発育できないため、フィラリアに感染することはないということですね。蚊の寿命はメスで42~56日だと言われていますので、部屋の中で繁殖しない限りは、いくら部屋が暖かくても感染するフィラリアを持った蚊はいないということになります。

最低発育温度を基にしたフィラリアの感染可能期間は、本州で一番温かい九州でも4月後半~11月後半になっています(沖縄は1年中予防が必要です)。つまり、本州であれば5月から12月にフィラリア予防薬を飲めば1~4月は飲む必要がないということです。こちらの有料相談サイトのように、時々専門家のはずの獣医師ですら間違っていることもあるので、だまされないようにしましょう。

フィラリアの感染期間の目安が見れるサイトがあるので、こちらも参考にしてみてください。

DSファーマアニマルヘルス

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フィラリア予防の注射は春じゃなくてもいい

2012年に、ファイザーからフィラリア予防注射薬「プロハート12」が発売され、じわじわと普及しています。この「プロハート12」のメリットは、なんといっても注射して1年間効果が持続すること。フィラリア予防薬の飲ませ忘れの心配がありません。

そして、1年間効果があるため、いつ予防を始めてもいいというメリットもあります。フィラリア予防の内服薬は、予防期間が決まっており、その少し前である4~5月に検査をします。そのため、その時期に動物病院がかなり込み合うというデメリットがあります。

しかし、プロハート12は比較的動物病院が空いている秋~冬に注射を打つこともできます。ただし、プロハート12は、開封したら8週以内に使い切る必要があり、予防に来る犬が少ないと余って廃棄しないといけないため、春の時期しか扱っていない動物病院も多いです。

1年間効くのって怖いと思われる飼い主さんもいるかもしれませんが、私はかなりの数の犬(1,000頭以上)に打っていますが、特に怖い副作用は経験していません。飲み忘れをしない飼い主さんは飲み薬で何も問題がありませんが、飲み忘れが怖い飼い主さんは注射をおすすめします。

ただし、まだ実際に使われ始めて5年もたっていない新しい薬ですので、今後問題が出てくる可能性は否定できません。また、フィラリアの予防注射は子犬や重病の犬、高齢の犬では打てませんので、そういった犬を飼っている人は飲み薬を飲みましょう!

まとめ

フィラリア予防は、犬の予防の中で最も優先順位の高い予防だと考えています。混合ワクチンや狂犬病のワクチンももちろん必要ですが、これらの病気にかかるリスクよりフィラリアにかかるリスクは非常に大きいです。フィラリア予防をしていない犬が増えると、フィラリアを持つ蚊が増えて、フィラリアのリスクが高くなるという負のスパイラルが起きます。しっかりと予防をして、愛犬が長生きできるようにしてあげましょう!

次回は「フィラリア症の症状」について解説します。

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