犬のフィラリア症③ フィラリア症の慢性症状と急性症状

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フィラリア感染を起こして体に問題を起こす場合、慢性症状と急性症状の2つの症状があります。今回は、フィラリアによる2つのタイプの症状を解説いたします。

フィラリア症の症状

症状 経過 予後
慢性症状 咳・むくみ・腹水 数年にわたり徐々に悪化 完治はしないが薬でコントロール
急性症状 元気の低下・
血尿・嘔吐
一気に状態が悪化 緊急手術が必要だが、死亡率高い

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慢性症状:咳と腹水

フィラリアの成虫は厳密には心臓内ではなく、肺動脈内に存在します。肺動脈は心臓から肺に向かって血液を流すための管であり、そこにフィラリアがいると、右心室は圧力をあげて肺へ血液を送ろうとします。

そうすると、「肺動脈高血圧」が起こり、右心系(右心室や右心房)に負担がかかって「右心不全」を起こします。

右心不全の主な症状は「咳」からスタートします。フィラリアの感染から数か月後に乾いた咳が初期症状として出てきます。さらに右心不全が進むと、右心房へ戻る全身からの血液がうっ血してしまい、むくみや腹水が起こってきます。フィラリアの予防をしていない子で、「最近お腹が膨れて来た」という場合は、フィラリア症によるむくみの可能性があります。

急性症状(ベナケバシンドローム):溶血と血圧低下

急性症状は、ベナケバシンドロームとも呼ばれ、フィラリアが左心室と左心房を分ける働きをしている「三尖弁」に絡みつくことで起こる急性心不全です。非常に死亡率の高い緊急状態です。

心臓の機能がしっかり働いているときは、フィラリアは血流に流されるようにして心臓から遠い部分の肺動脈にいるのですが、心不全が進み徐々に心臓から血液を送り出す能力が落ちて来ると、心臓の方に近づいてきます。川をさかのぼるサケのイメージをしてください。川の流れが強いとなかなか上流へ登れませんが、その流れが弱くなると勢いよくさかのぼれるイメージです。フィラリアも血液の流れによって棲む位置が変わってくるのです。

肺動脈をさかのぼって心臓の中に入ったフィラリアは、やがて三尖弁に絡みついてしまいます。そうなると、右心室から右心房へ血液が逆流し、心臓内での血液の流れがおかしくなります。そこで起こるのが、血液が壊れる溶血と、急激な血圧低下による元気消失です。

お家で最もよくみられる症状としては、「明らかに元気がなくなり、おしっこが真っ赤になっている」という症状です。溶血した血液がそのまま尿に出てくるため真っ赤な血尿が出るんですね。フィラリアの予防をしていない犬でこのような症状がある場合は急性フィラリア症の可能性があり、すぐにでも病院で診てもらう必要があります。

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まとめ

フィラリア症は慢性症状と急性症状で症状が全く異なり、危険性や緊急度、治療も全然違います。フィラリアは予防することが最も大切ですが、予防をしていない人は今回紹介した症状にしっかり気を付けておいてください。

次回はフィラリア症の治療についてご説明します。

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