猫の風邪「FVR」① FVRの原因 ヘルペスウイルスについて

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寒くなると、猫に非常に多くなる病気「猫伝染性鼻気管炎」。Feline viral rhinotracheitisを略して「FVR」とよく呼ばれる病気です。FVRは鼻水やくしゃみ、目やになどの症状が特徴の病気であり、子猫だけでなく正猫でも発症してしまいます。

今回からは、何回かに分けてFVRについてのお話をいたします。まずは原因となるヘルペスウイルスについて、その性質や伝搬経路、消毒の方法などを解説いたします。特に

  • 子猫を飼い始めた
  • 多頭飼い
  • 家の猫が風邪症状を出している
  • 愛猫が外にも行く

という飼い主さんはぜひチェックしてみてください。子猫 FVR ウイルス

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FVRの原因「ヘルペスウイルス」とは

FVRを引き起こす原因となるのは、ヘルペスウイルスというウイルスです。

ヘルペスウイルスにはヒトの帯状疱疹や水疱瘡、性感染症の原因となるヒトヘルペスウイルスが有名ですが、猫には猫ヘルペスウイルスが感染します。ヘルペスウイルスは基本的には宿主特異性*が強いため、猫のヘルペスウイルスがヒトや犬に感染することはありません。

*宿主特異性:ウイルスが感染できる動物種(宿主)が限られているということ。宿主特異性が強いウイルスは動物種の間で感染することはありません。狂犬病ウイルスなどは宿主特異性が低いため、犬にも猫にも人にも感染を起こします。

ヘルペスウイルスはエンベロープと言われる膜に囲まれた、直径120~200nmのウイルスです。猫ヘルペスウイルス1型(FHV-1)が猫に感染すると、猫の細胞の中でFHV-1が増殖してFVRが発症します。

FVRは飛沫感染する

FVRは主に飛沫(ひまつ)感染という経路で感染を起こします。これは空気感染と呼ばれることもありますが、感染した猫の微絨などに含まれたウイルスが、くしゃみによって飛沫として空気中に飛び出すと、その空気を吸った猫に感染するという伝搬経路が主な感染源となります。ヒトのインフルエンザなどと同じですね。

他にも、猫同士のグルーミング(直接接触)や、感染した猫を触った手で他の猫を触ったり、フード皿や床などを通した(関節接触)感染などによってもFHVの感染は起こります。

FVRの厄介なところは、感染力が非常に強いことです。1頭の猫がFVRを発症してしまうと、どれだけ気を付けて消毒などをしていても他の猫に感染してしまう可能性が高くなります。

FVRは潜伏感染する

FVRを引き起こすFHVは感染力が強いという側面を持ちながら、潜伏感染を起こすという非常に厄介な性質を持っています。

FVRを発症した多くの猫では、薬による治療と自分の免疫力によって症状は治まってきます。くしゃみや鼻水などの症状は一部の猫を除いてほとんど消失します。ただし、それはウイルスが完全に体の中にいなくなったというわけではなく、あくまで増殖が止まってウイルスが減ったというだけなのです。

ヒトヘルペスウイルスと同じく、猫ヘルペスウイルスは神経の奥の神経節と言われる部分に潜伏感染を起こします。つまり、ずっと体の中でウイルスが潜んだ状態になるということです。体調不良があったり、免疫力が低下するような状態になると再びFHVが活発に増殖するようになり、FVRの症状が現れます。

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ヘルペスウイルスの消毒

猫を多頭飼いしている人では、1頭の猫にFVRがは称してしまった場合には、しっかりと消毒などを行い、感染が広がらないようにすることが大切です。

FHVに有効な消毒は

  • 0.02~0.1%次亜塩素酸ナトリウム
  • 70~80%エタノール
  • 70%イソプロパノール

だと言われています(参考:http://www.jabfid.jp/SiteCollectionDocuments/innaikansen.pdf)

一般的な消毒用アルコールは70~80%のエタノールが含まれていますので、それでしっかり消毒をしておきましょう。FVRを発症している猫を触った手や服、FVRの猫が使った食器やトイレなどもしっかり消毒しておきましょう。

FVRは感染しやすく潜伏する厄介な病気

FVRは命まで落とすことは多くないため、比較的軽視されがちな病気です。ただし、非常に感染力が強く、一度感染してしまうと潜伏してしまう厄介な病気です。また、免疫力の低い子猫や病気の猫、他の感染症に併発した場合は非常に重症になることもある病気です。

FVRにはワクチンもありますので、多頭飼いや外に行く猫はしっかりワクチンを打ちつつFVRの予防をしていきましょう。次回はFVRの症状についてお話いたします。

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