犬と猫に動物病院で行う催吐処置~少ない負担と高い安全性/効果

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異物の誤食のお話をしましたので、今回は病院での異物の処置をどうするのかについてご紹介しましょう。

前回の記事で、吐かせた方がいいもの、吐かせない方がいいもの、様子を見たほうがいいものを簡単にご紹介しましたが、基本的にはその基準に従って処置をすることが多いです。


【犬・猫の総合情報サイト『PEPPY(ペピイ)』】

動物病院で吐かせることが多いもの

吐かせた方がいい異物や中毒物質は吐かせることが多いです。動物病院で吐かせることが多い物質は

・チョコレート

・ネギ類(玉ねぎ、ネギ、ニラ、にんにく)

・日用品(輪ゴム、ヘアゴム、靴下、ひも、ビニール袋)

・薬(人用の薬、大量の動物の薬、薬の包み)

・種(梅干し、桃)などです。

催吐のメリット・デメリット

催吐のメリット・デメリットは以下のようになります。

催吐のメリット

・体への負担が少ない

・費用面の負担が少ない

・迅速な処置ができる

催吐のデメリット

・催吐させると危険な物質がある

・ある程度時間がたってしまうと腸へ流れて催吐ができなくなる(異物の摂取から3~6時間たってしまうと難しいことが多いので、3時間以内に吐かせるのが理想です)

動物病院で使うトラネキサム酸とアポモルヒネ

吐かせる方法は施設によって違いますが、よく使われるのはトラネキサム酸とアポモルヒネです。私はアポモルヒネの使用経験がないので、トラネキサム酸に関してご紹介いたします。
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97%吐かせることのできるトラネキサム酸

トラネキサム酸は本来、止血剤です。ただし、トラネキサム酸は血管内投与をして急速に体内濃度が上がると嘔吐するという副作用があり、その副作用を利用して吐かせます。

トラネキサム酸のメリット

・犬の場合、投与して5~10分くらいでかなり確実に嘔吐させられる(ある施設の調査では97%の催吐成功率だと言われています。ただし、吐けても目的のものを吐かないという子もいます。猫だと催吐成功率は20~30%に落ちてしまいます。)

・胃腸への負担がない

・嘔吐は一過性であり、15分後くらいにはほぼ吐き気が止まる

トラネキサム酸のデメリット

・嘔吐が起こるメカニズムがはっきりしていない

・まれにけいれんが起こることがある(1~2%と言われており、抗けいれん薬で止まる)

 犬のみに使えるアポモルヒネ

アポモルヒネに関しては、使用経験はありませんが文献的にはトラネキサム酸に比べて、以下のようなメリット・デメリットがあります。

アポモルヒネのメリット

・嘔吐が起きるメカニズムがはっきりしている

アポモルヒネのデメリット

・薬代が高い

・ネコに使用できない

猫は催吐が難しい

猫では催吐剤による催吐が難しいことが多く、必要があれば「メデトミジン」という麻酔薬を使うことがあります。メデトミジンは猫の約50%で嘔吐すると言われていますが、麻酔薬ですので、トラネキサム酸に比べてかなり負担の強い処置になります。

催吐ができない場合は全身麻酔による内視鏡や手術が必要なことも

食べたものをすべて吐けた場合には、催吐処置だけで解決しますので、催吐は非常に有効な治療手段です。一方で、吐かせられない場合に関しては、少し負担の大きい治療の必要性が出てくることもあります。次回は、病院で催吐不適応と判断した場合の処置(内視鏡・胃洗浄・手術等)に関してお話いたします。

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